2012年12月1日土曜日

玉陽齋の珠取獅子













言わずと知れた、尾崎谷斎の師匠である玉陽齋の珠取獅子。いつかは手に入れたいと思っていたのですが、思わぬチャンスに恵まれてヤフオクで格安ゲット。とても小さく、ナレも進んでしまっていますが、パグ犬みたいな不細工系の顔立ちに玉陽齋ならではの特徴があります。

2012年11月1日木曜日

龍の煙草入れ - 浜物 -









通称、「浜物(=ここでの浜とは横浜の浜)」と呼ばれる、明治初期に海外輸出様に誂えられた龍のタバコ入れです。工房での分業作だったらしく、似たような意匠、相良縫い刺繍、銀の鏡蓋根付&前金具&飾り鎖がセットになったものが現在でもそれなりの量、流通しています。職人さんの技量によって仕上がり具合にはかなりバラついていますが…ここまで状態が良いものはなかなか無いです。この状態の良さに加え、前金具の龍の迫力も相当なものです。

参考までに、去年の正月に手に入れた、同じ系統のタバコ入れをお見せすると…




 こちらも結構な品なのですが、先の物と比較すると如何せん保存状態が悪い。相良刺繍はほつれてしまっているし、鹿革もボロボロでして…それでも、このクラスの完品を骨董屋さんで購入すると、一ヶ月分のお給料はゆうに吹っ飛んでしまう位なのですけど…

2012年10月1日月曜日

影虎八陣






以前に紹介した「昇龍」と対になる根付として、美洲先生に譲っていただいた作品。美洲先生ならではの、鹿角の素材を生かした曲線美が美しい一品。
素材:鹿角、鼈甲、牛角

2012年9月1日土曜日

三味線を弾く狸



三味線を弾いているユーモラスな狸の根付。以前紹介した兎の根付の作者、阿部賢次さんのお父堂の阿部悟堂さんの作。齋藤美洲先生曰く、「このユーモラス溢れる雰囲気は彼ならではの人柄がにじみ出た作風であって、真似する事はできない」との事。これも兎と同じく、根付蒐集を始めたごく初期に手に入れたものです。

2012年8月1日水曜日

袋物 南極

個人的に思い入れがあって、ギャラリー花影抄でお願いして作っていただいた嚢物。一景こと、小野里三昧さんにペンギンの根付と前飾りを作っていただき、東上野の藤井袋物さんに仕上げてもらった一品です。

素材:柘植、牛角、象牙、海象牙(前飾り)、ガラス(緒締)、金箔(緒締)

2012年7月1日日曜日

黒檀の兎



今から遡ること二年前。根付を本格的に集めようとして、初めて購入した現代ものの根付がこちら。高円宮様のコレクションにある、琥珀の兎と作者&題材が同一という事もあって、実際に妃殿下にご覧いただいた事もあります。
素材:しま黒檀、鼈甲

2012年6月3日日曜日

獅子の煙草入れ






獅子の前金具自体は数多くあれど、良いものを探すと意外と少ない。そんな中、私が気に入った獅子の前金具の一つがこちら。結構なお値段でした…中の留め具が外れてしまっていて、そのままでは使えないのですが、それを帳消しにするくらい良い雰囲気の前金具です。獅子の毛並みの表現、顔付き、爪の表現。どれをとっても気に入っています。

2012年6月2日土曜日

イタリアンレストラン スペッキオ

6/1は夕方から仕事となったので日中は時間ができました。という事で、折角できた時間を有効活用すべく、アポをとって提物屋さんへ。吉田さんは龍好きの私に合わせて、京都にある古布で衣装を仕立ててくれるお店から購入されたカッコいい龍柄のシャツを着てらっしゃいました。
早速、この3月に入手した龍の根付を吉田さんに見ていただき、ご意見を拝聴。要点を要約すると、
  • 銘の「~斎 通兼」は吉田さんの記憶にあるものと別人(知られていない根付師の可能性が大)
  • 銘の象嵌の仕上がりが不自然。もともと無銘の作だったものに後から作者を知る別人が付け足したのではないか?
  • 似た雰囲気で小型の龍の無銘根付は見た記憶がある
  • 18世紀後半~19世紀初頭の名古屋派の作ゆきだが、保存状態が良い
  • 欠けは気にならないレベル、修理しても良いし修理しないでも影響は無い
との事。吉田さんに「贋作!」と言われたらどうしようかとドキドキでしたが、どうやらアタリ籤を引いたみたいです(笑)。銘を調べる上で役立つ本として、講談社学術文庫の「草書の字典」を紹介していただきました。現在は絶版みたいですが中古は流通しています。これは早速、購入ですな。

 提物屋さんを後にして、向かった先は近くのイタリアンレストラン「スペッキオ」。子供の頃、偉人の伝記をよく読んだポプラ社の本社ビル1Fにある雰囲気の良いお店。ランチメニューのPranzoA (バーニャカウダ・前菜・パスタ2品・デザート・カフェ)をいただきつつ、お店の雰囲気をゆっくり味わいました。パスタの一品目は北海道産ツブ貝とドライトマトと野生種ルーコラのスパゲッティーニ、二品目は自家製パンチェッタとグリーンアスパラの タリアテッレ カルボナーラ風。バーニャカウダのソースが最高に美味い!機会をみて、今度は知人を誘ってディナーに行きたいなと感じたお店でした。

お店のホームページはこちら

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2012年5月28日月曜日

昇龍


昨年、晩秋の頃に初めて齋藤美洲先生の工房を訪問した際、「来年の干支に因んで龍の帯挟みを鹿角で作ってみた」と観せていただいた二体の龍のうちの一つがこちら。その後、年末になり美洲先生から「よかったら買わないか?」とのお話があり、2013年の春までに...という事で買約だけしたものの、実際に購入するのはまだ先になるかと思っていました。
が、縁とはひょんなもので、 今月に入ってから急遽購入する事に。美洲先生ならではの曲線美と素材を活かした持ち味が最高ですな。

素材:鹿角、べっ甲、牛角

2012年4月15日日曜日

一閃


 ギャラリー花影抄でお願いしていた、龍の根付が出来上がりました。
作者は楽虫さん。新古典派と呼ばれる現代根付師の中で、気鋭の作者のお一人です。
顔を大きく立体的に、眼は鼈甲で象嵌して、五本爪(=皇帝の龍)で、素材はウニコールで…とかなり無茶を言ってしまい、楽虫さんにはご苦労をお掛けしたのではないかと思う(いや、間違いなく苦労されている)のですが、 時間をかけて丁寧に作っていただいただけあって、最高の出来です。とにかく、顔が格好良い!じっくり観ればみるほど、引き込まれて行き、作者のこだわりが伝わってきます。
楽虫さんには今度は応挙の犬(か、見習い兎)を頼みたいなぁ~。

追記:7/30 22:00~23:00、BS-TBSで放送された「謎解き!江戸のススメ」で江戸工芸のトリとして根付師 楽虫さんが出演され、一閃がとり上げられました!

サイズ: 4.5x3.8x3.2cm
素材:ウニコール(一角鯨角)、鼈甲、牛角

2012年3月8日木曜日

黒檀の龍

 

ヤフオクで黒檀の龍の良い品ものが出ていたのでゲットしました。最初は口の端の「アタリ傷」が気になって入札は見送ろうかと思ったのですけど...twitterでやりとりしている現代根付師の方に観てもらって意見を求めたところ、「鱗がしっかり彫り込まれているし、この傷はほとんど無視できる」との事だったので思い切って入札。
実物を手にとってみて、やっぱり買って正解でした。鱗の曲線が綺麗だし、顔も丁寧に彫り込まれています。龍の径は5cm四方で意外とでかい。手持ちの桐箱では入らなかったので、とりあえず根付袋に入れています。

2012年1月4日水曜日

冬休み最終日@東京国立博物館~土偶ストラップを求めて

昨年末にtwitterで工芸関係の繋がりの方(@sushifactoryさん)から、東京国立博物館で正月プレゼントとして土偶ストラップを配布すると聞いていたので、朝一で上野へ。9時ちょい過ぎに到着するとすごい人の山。多くの人は特設の故宮展を目当てに来ている模様。人だかりとなっている特設展用入場券売り場を尻目に常設展示の入場券売り場の方に並んで、さっそくゲット。
 9:30の開場と共に特設展は30分待ち。12:00頃には210分待ち(!)とか有り得ない事を言っていたものなぁ~。開催期間はまだまだあるので、空いた時期を見計らって来るのが正解やね。
折角国立博物館に来たので本館の常設展示をざっと拝見。明珍の海老や蛇など、自在置物を観て、一階奥のミュージアムシアターへ。故宮展に合わせて、凸版印刷の故宮デジタルムービーを上映していました。以前いた会社では凸版のデジタルコンテンツを借り受けて、社内シアターで上映していたなぁ~と思いつつ、また、去年の今頃NHKで放送されていた蒼穹の昴の事を思いつつ、拝見。
二階に上がってまず向かったのは高円宮コレクション室。年明けからは展示内容が総入れ替えされており、昨年末に拝見したものとは別の作品ばかり。現在展示されているものの中で個人的に注目したのは、美洲先生の「かゆい、かゆい」。これは1992年(先生が49歳頃)のうさぎの作品。最近の作品群と対比する事で、先生が最近取り掛ってらっしゃる「フサフサな」毛彫の技法について考えさせられました。
郷コレクションというと2F奥の部屋の片隅でこっそり展示されていたはずですが、現在は目立つ場所に展示される様になったのですね。展示されていた根付の中では十二支全てを彫り込んであるものが気に入りました。
最後に地下のミュージアムショップへ。根付関連の書籍はどんなものがあるのかとチェック。提物屋さんの図録が置いてありました(笑)。意外な発見だったのは、この本が郷コレクションの全作品図録なのね。講談社から1980年に出版された図録しか知らなかったので、これは良い情報でした。早速、古本を探そう。
国立博物館は学生時代に頻繁に通っていたけど(当時は国立大学の学生だと入場料が70円だったので)、最近は足が遠のいていました。独立行政法人化されてからは企画にも工夫を凝らしているみたいだし、やはりたまには観に行くべきでしょうね。

2012年1月1日日曜日

獅子の根付

2012年、明けましておめでとうございます!本年も宜しくお願いします。昨年は大変な一年だった方も多くいらっしゃるかと存じますが、今年は皆様にとって良き一年となる事を心より祈念しています。
さて、正月を迎えたのを機に、2年以上放置状態だったblogを一新し、もう一度挑戦してみる事にしました。今度は一体、いつまで続くやら...
画像の、玉取獅子の根付は年末にふとした事から入手する事になったもの。根付は龍にターゲットを絞って蒐集している(しようとしている)のですが、いつかは獅子の根付も持ちたいなと思っていたし、お正月にぴったりな縁起物だし...という事で入手。大きな鼻と平らなおでこ、そして丁寧に彫り込まれた巻き毛が特長です。

追記:↑の写真は写りがよくないので黒々と写っていますが、実際は↓の写真の様な風合い 。こちらは私のものではないですが、多分、同じ工房で作られた作品でしょう。